江戸屋

当事業所では、うるま、南風原など高等支援学校受験を目標に来る子供達が多くいます。

「来年、受験なので、お願いします」と言われて、中学３年で新規利用になっても、正直なもので、
「今からやっても間に合いませんよ。無理だと思います」と正直に言ってしまうのは、厳しい事でしょうか？
「頑張れば合格できるよ」と、無理な子には言えない、馬鹿正直な私です。

これまで、うるまの高等特別支援学校や南風原分校に合格して来た子供達は、やはり知的に高い子が多い。IQ70以上の発達障害の子供達です。友達や私達、大人とも普通にコミュニケーションが取れる、しっかりした子ばかり。
そして学校を休まない気力、体力のある子。

中学２年生以降、一年間に10日も休んでいたら、難しいでしょう。
高等特支校は一般企業に就職する、いわばエリートコース。障害の無い人と同等の仕事をするわけですから、例え、計算ができても、しょっちゅう休む、一般的なコミュニケーションが取れないなど、内申書、面接でしっかり見られています。
「やっぱりね」と思う子供達が不合格になっています。

受験問題は小学校3年生程度と言われていましたが、文章問題などは計算だけできても無理です。
お母さんと買い物に行って、自分でお金を支払う事がありますか？3桁の計算をするのに、お金の計算ができる子とできない子では、かなり差がつきます。
国語の文章題は、かなり長文を読んで、問題の意味を理解できないと答えは出せないでしょう。びっしりと書かれた文章を読みながら、何が書いてあるのか覚えていられる記憶力が必要。

特別支援学校の中等部でも、中３になって、いきなり
「受験しよう！」と学校での面談で、やる気になるのも良いのですが、今まで散々、宿題を出して欲しいとお願いしても、全く学習となる宿題も出ていないのに、１年足らずで受験体制に持って行くのは、いくら学習支援をしている当事業所でも、無理です。
それにＩＱ50にも満たなければ、うちでは対応しきれません。
無理だとわかっていて、
「勉強すれば大丈夫」とは言えないのです。

過去に不合格になった子は、かなりショックを受けて荒れていました。
無理だとわかっていて、受験させるのは、その子にとって良い経験をした、記念受験でしかなく、可哀想な気がします。子供が
「良い経験をした。自分なりに頑張った」と思えるでしょうか？
特別支援学校からでも一般企業に就職している子供達もいるので、苦い体験をわざわざさせなくても良いのではないかと思うのでした。


夏休みに行った映画鑑賞でも、ストーリーを断片的には理解できても、映画全体をストーリーとして結び付ける事ができないという事は、明らかになりました。コロナで閉鎖になったり、まだ全員が観ていませんが、今月の祝日に行いたいと思います。