江戸屋

先日、体験に来た児童。
事業所内で片づけの時間になったアラーム音に耳を塞いだ。

音に敏感な子供は多い。

ドライヤーの音、ハンドドライヤーの音、トイレを流す音、掃除機の音、太鼓の音、リコーダーの音。
聴覚過敏がなぜ起きるのか？

先日の保護者勉強会でポリヴェーガル理論について話をしたが、障害のある子供達は常に不安、恐怖へのスイッチが入りやすい。
スイッチが入れば、闘うか逃げるかの闘争反応が起き、恐怖や不安だけでなく、イライラ、反発的、攻撃的にもなってしまう子もいる。
交感神経が優位になった状態でもある。

人間の耳は雑音の中でも人の声を聞き取れる様、中耳フィルターが働き、聞きたい声を聞き取る事ができる。（カクテルパーティー効果）
しかし、交感神経優位になっていると、中耳フィルターが働かず、聴覚は幅広い周波数の音を拾おうとし、高い音から低い音まで聞き取ろうとする。
例えば、草むらの向こうにライオンが現れたら、身を隠して、襲って来ないか？他にも危険な動物がいるんじゃないか？と耳を澄ます。聴覚過敏の子供達は、その状態になりやすい。



目はどうだろう？
視覚過敏の子供達は白っぽい蛍光灯の光が苦手で白いノートが眩しいと言う。
屋外に出ると、
「目がおかしい。全部が白と灰色に見える」と言う。
交感神経が優位になると、瞳孔は開く。
先ほどのライオンが現れた状態の時、交感神経が優位になり、他に敵がいないか？目を見開いて見ようとする。光が目に入って眩しくなる。
これらの自律神経は自分の意思とは無関係に調整されている。

不安や恐怖の起きやすさには、原始反射のモロー反射、恐怖麻痺反射が関係しているが、原始反射が全ての原因だという事では無い。
安心、安全な環境を作り、療育の為のエクササイズを総合的に行う必要がある。


脳って不思議です。
脳から指令を出すだけではなく、感覚器官からの情報をキャッチして情報を統合して指令を出す。でも誤作動を起こす事もあるんだな。